緊急地震速報のアラームをギターで鳴らす

そして3ヶ月経ち
もし誰も小さな声なき声の歌に耳を傾けないなら
緊急地震速報のアラームをギターで鳴らす
という笑えないイタズラをして目を合わせジュテーム!
愛しているぜと笑いかけよう
もしも僕のよく知るあなたがたった今
前触れなくいなくなったとして そう
たとえば頼りにする誰かと突然2度と合えなくなってさ
How does it feel?
どんな気がする
どんな気がする
という想像力で
放射能に汚染された空気を読む
なんて粗末な気休めはもうすてろよ
知らないことが多すぎたんだって
200キロ圏内外、これは自分のこと
おこづかいを積み立てたノートパソコンが落ちて壊れた僕の
家のもっとちょっと北のほう
ローンを組んだ漁船や家やタンカーや人生
がねじ曲げられ打ち上げられ粉々になって
よくわかった
最初からありもしなかった
未来も救いも絶望も天国も地獄も妬みも羨望も
本当は、くさった頭の中にだけあって
ただ空が広がるばかりの
風と餓えと渇きと死体のニオイから いま
踏みだしたステップ
という希望に目を覚まし
言葉を紡ぐか沈黙するか覚悟を決めな
震度7の踏み絵から
金や保身でついに止ったのは誰かの詩の言葉で
心に従い絶えず廻り続けるのは誰かの詩の言葉
モノにあふれた絶望の時代は3月11日午後に強制終了し
荒れ地が広がるムの海岸線には希望だけが見える
何が起きているのかわからない
君はただ、足下が濡れてひたされ
僕はあっという間に濁流に押し流され
君は硝子の破片が右足の指を切断し
僕は車のドアに左腕をもがれ
黒い波が君の目をつぶし
肺まで泥まじりの海水を飲み込んで
もう会えないのかと
たくさんの顔が思い浮かべて
安い薬箱みたいに
突然に終わる
オレたちはなんとかできると思って
なんとかしようとしてきたけど
その思い上がりで、こんなことになって
実際はどうにもできないことが殆どで
ほら今もただ呆然と、北上もままならず
ただとぼけたような生活をするだけで
がれきの下にうもれたまま放射線を放つあの人を
因果関係が確認しようのない5年後に
発病する子供たちを
ほら今もただ呆然とずっと
ほったらかしにしてすぐに、わすれるんだろ?
わすれるんだろ?
そして3ヶ月経ち
もし誰もみんなの歌に耳を傾けないなら
緊急地震速報のアラームをギターで鳴らす
という笑えないイタズラをして目を合わせジュテーム!
愛しているぜと笑いかけよう
さもしい欲望を満たしたいだけの才能を捨ててジュテーム!
愛しているぜと笑いかけよう

愛しているぜと笑いかけるよ




※コピペ

5月15日(日)は、「笑いと涙のぽえとりー劇場」のエンディングとなる詩の夜です。 
今回はこの10数年で登場した詩人と現在の常連の皆様で織り成す 
「 世界の何処にも無い詩の夜 」になるでしょう。 

「ぽえとりー劇場」は皆さんの言葉にふれる・味わう・耳を澄ます朗読会です。
それぞれが自分らしい花を咲かせる詩的空間で過ごしましょう。 

※ お客様としての参加も歓迎です
※ 開演前の18時15分にお越し下さい
※ 入場無料(店内のドリンク・フードをオーダーして下さい)

会場の電話番号と地図:http:// benscaf e.com/a ccess 

=出演詩人= 

ヤリタミサコ・石渡紀美・ハギーイルファーン・六九狂ヴィヴィアン・マノメアツシ 
・モリマサ公 ・新納新之助(代読)・青木研治・野田竜成 ・渡ひろこ  
・TASKE ・梓ゆい ・岡部淳太郎 ・石川厚志 ・---とある蛙    
・佐藤銀猫・葛原りょう・PARA・mido・紺野とも 
・死紺亭柳竹・しえろ文威・大島健夫・rabbitfighter・ジュテーム北村