go-d/tims

歩道のない道路を時速80キロで急ぐ。
数十メートル先に老婆がいかにも脆弱なていで
こっちに向かって自転車をこいでいるのが見え
僕はブレーキを軽く踏み込む。
エンジンは回転を急激に緩め
もしかしたらこの重い鉄の固めりは
その力でバラバラになって宙に吹っ飛ぶかもしれない。
腕力のない老婆は触れもせずに
エンジンのパワーを押さえつける力を持つ
そういう見えない力が、僕にもまた必要なんだ。